サステナビリティの4領域
サステナビリティ/CSRの取り組みは、上記の図のように「4つの領域」に分けることができます。下半分は多くの企業にとって「現在のCSRの取り組み」、上半分が「これから求められる取り組み」です。右半分は、企業や組織の社会的な評判を高め、価値創造する取り組み。左半分は企業・組織のリスクを低減する領域です。(CSR検定3級テキスト第1章の1:「CSRの目的と領域」から引用)
SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)はサステナビリティ経営を進めるための「ツール」と考えると理解しやすいです。SDGsやESGはそれ自体が企業の目的ではありません。
有名な経営学者であるピーター・ドラッカーは、「企業の目的は社会にある」「企業の目的は顧客創造である」と書きました。一見、なんの脈絡もないように見えるこの2つのメッセージは、実はつながっているのです。
つまり、今のマーケットにいるのが「現在の顧客」とすると、社会には「未来の顧客」がいるのです。現在のマーケットにはどこでも必ず競合他社がいて、し烈な競争をしています。しかし、一つの会社がいったん「未来の顧客」を創造できると、しばらくは競争がないメリットも享受できるのです。
この「未来の顧客」づくりは、SDGsの公式文書に記載されている「アウトサイドイン」ビジネスアプローチとも共通します。これまでの企業戦略は市場のニーズを探る「マーケットイン」が主流でしたが、今後は、市場のすぐ後ろにある「社会のニーズ」を探ることが重要です。それが「未来の顧客創造」に役立つのです。